偏心T管の展開図の書き方枝管を中心からずらすときのえぐりの計算
偏心T管は、枝管の中心を主管の中心から横にずらして付けるT管です。配管の片側をそろえたいときや、主管の横腹から枝を取りたいときに使います。この記事では、偏心T管のえぐりの計算式と、100A×50Aを20mmずらした場合の型紙の寸法を説明します。
偏心T管の形
普通のT管は、えぐりが左右対称で、型紙の山が2つ同じ高さになります。偏心T管では、ずらした側ほど枝管が主管の横腹まで回り込むので、えぐりが深くなり、型紙の2つの山の高さが違ってきます。
えぐりの計算式
主管の半径をR、枝管の半径をr、偏心量をe、枝管の円周上の角度をφとすると、各点の高さは次の式で出ます。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 各点の切込み | R − √(R² −(r × sin φ + e)²) |
| 偏心量の上限 | R − r(主管と枝管の外面がそろう位置) |
型紙に取るときは、いちばん浅い点を0として、そこからの高さにします。偏心量が0なら、普通のT管の式と同じになります。
計算例:100A×50A、偏心20mm
主管114.3mm、枝管60.5mm、偏心量20mmで16等分すると、各点の高さは次のとおりです(型紙の横幅は190.1mm)。
| 点 | 基準線からの距離(mm) | 高さ(mm) |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 3.6 |
| 1 | 11.9 | 9.5 |
| 2 | 23.8 | 17.7 |
| 3 | 35.6 | 26.1 |
| 4 | 47.5 | 29.9 |
| 5 | 59.4 | 26.1 |
| 6 | 71.3 | 17.7 |
| 7 | 83.2 | 9.5 |
| 8 | 95.0 | 3.6 |
| 9 | 106.9 | 0.6 |
| 10 | 118.8 | 0 |
| 11 | 130.7 | 0.6 |
| 12 | 142.6 | 0.9 |
| 13 | 154.4 | 0.6 |
| 14 | 166.3 | 0 |
| 15 | 178.2 | 0.6 |
| 16 | 190.1 | 3.6 |
普通のT管(偏心0)では最大の切込みが8.7mmですが、20mmずらすと29.9mmになります。点4の側がずらした向き(主管の横腹に近い側)で、ここが深く切り込まれます。
偏心量ごとの最大の切込み(100A×50A)
| 偏心量 | 最大の切込み |
|---|---|
| 0(普通のT管) | 8.7 |
| 10 | 16.6 |
| 20 | 29.9 |
| 26.9(外面をそろえる) | 57.2 |
単位はmmです。偏心量を大きくするほど、ずらした側の切込みが急に深くなります。外面をそろえる位置(R − r)では、枝管の片側が主管の横腹の真ん中(中心の高さ)まで回り込み、最大の切込みは主管の半径と同じになります。
計算例2:100A×50A、外面をそろえる(偏心26.9mm)
主管と枝管の外面を片側でそろえる形です。偏心量は(114.3 − 60.5)÷ 2 = 26.9mmで、16等分すると次のとおりです。
| 点 | 基準線からの距離(mm) | 高さ(mm) |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 6.7 |
| 1 | 11.9 | 14.9 |
| 2 | 23.8 | 26.6 |
| 3 | 35.6 | 41.1 |
| 4 | 47.5 | 57.2 |
| 5 | 59.4 | 41.1 |
| 6 | 71.3 | 26.6 |
| 7 | 83.2 | 14.9 |
| 8 | 95.0 | 6.7 |
| 9 | 106.9 | 2.1 |
| 10 | 118.8 | 0.3 |
| 11 | 130.7 | 0 |
| 12 | 142.6 | 0.1 |
| 13 | 154.4 | 0 |
| 14 | 166.3 | 0.3 |
| 15 | 178.2 | 2.1 |
| 16 | 190.1 | 6.7 |
点4の側が大きく切り込まれ、反対側(点10〜14)はほとんど切り込みません。切込みが深い側は板が細く長く残るので、けがいたあとの切断と、溶接前の合わせをていねいに行います。
型紙の巻き方
- 型紙を枝管に巻きます。下の直線を残す側(管端から離れた側)に置き、曲線の山が管端の側を向くようにします。下の直線を管端にそろえると形が逆になり、主管に合いません。
- 点4(円周の4分の1)の側を、枝管をずらした向きに合わせます。
- 点0と点8は主管の軸の方向になります。
- 切断線をけがいて切り、主管に当てて、すき間を確かめてから溶接します。
普通のT管の考え方はT管(えぐり)の展開図の書き方で説明しています。
よくある失敗
ずらす向きと型紙の向きが合っていない
点4の側を、枝管をずらした向きに合わせます。逆向きに巻くと、深く切り込む側が反対になり、主管に合いません。
偏心量を上限より大きくする
偏心量は、主管と枝管の外面がそろう R − r までです。それより大きくすると、枝管が主管の外にはみ出し、えぐりの形が作れません。
型紙の下の直線を管端にそろえる
えぐりの型紙は、上下を逆にすると形が変わります。下の直線を残す側に置き、曲線の山を管端に向けて巻きます。
偏心T管についてよくある質問
偏心T管はどんなときに使いますか
配管の片側の面をそろえたいときや、主管の横腹から枝を取りたいときに使います。
偏心量はどこまでずらせますか
主管の半径 − 枝管の半径(R − r)までです。100A×50Aなら26.9mmで、このとき片側の外面がそろいます。
偏心0のときは普通のT管と同じですか
同じです。偏心量を0にすると、普通のT管のえぐりの式になり、型紙の2つの山が同じ高さになります。









