相貫線の書き方パイプどうしが交わる線を作図と計算で求める方法
相貫線(そうかんせん)は、2つの立体が交わってできる線です。配管では、主管に枝管を付けたときの付け根の線がこれにあたり、枝管のえぐりの型紙はこの線を展開したものです。この記事では、相貫線を正面図と側面図から作図する方法と、計算で求める方法を、100A×50AのT管の例で説明します。
相貫線とは
主管と枝管のように、2本の円筒が交わると、その境目に立体的な曲線ができます。これが相貫線です。正面図で見ると、枝管の付け根が主管の丸みに沿って下がった曲線になります。枝管をこの線どおりに切れば、主管にすき間なく突き合わせることができます。
同じ太さの管どうしが、中心線が交わるように付く場合(同径Tや同径のY管)は特別で、正面図の相貫線は曲線ではなく直線になります。直角の同径Tなら、管の軸に対して45度に傾いた2本の直線(V字)です。
作図で求める方法
相貫線は、両方の図に共通する線を手がかりにして、点を1つずつ移していくと描けます。
- 正面図と、主管の端から見た側面図を横に並べて描きます。側面図では主管は円、枝管は縦の帯に見えます。
- 側面図の枝管の上に枝管の断面の円を描き、円周を12等分します。
- 等分した点から真下に線を下ろし、主管の円と交わる点を求めます。これが枝管の各母線が主管に当たる高さです。
- その高さを水平に正面図へ移し、正面図の枝管の同じ番号の母線と交わる点に印を付けます。
- 印をなめらかにつなぐと相貫線になります。
正面図の枝管の母線の位置は、断面の円を正面から見た位置です。側面図で横にずれている点ほど主管の低いところに当たるので、正面図では枝管の中央の母線ほど下がった曲線になります。
計算で求める方法
主管の半径をR、枝管の半径をr、枝管の円周上の角度をφとすると、正面図での相貫線の点は次の式で出ます。
| 求めるもの | 計算式 |
|---|---|
| 横の位置(枝管の中心から) | r × cos φ |
| 高さ(主管の中心から) | √(R² − r² × sin²φ) |
| 型紙の高さ(主管の頂部からの下がり) | R − √(R² − r² × sin²φ) |
φ = 0°は主管の軸の方向の母線、φ = 90°は主管の軸に直角な母線です。90°のところで相貫線がいちばん下がり、枝管がいちばん長くなります。0°のところは枝管がいちばん短く、ここがえぐりの谷になります。
計算例:100A×50AのT管
主管の外径114.3mm(R = 57.15)、枝管の外径60.5mm(r = 30.25)で、枝管の円周を12等分した場合です。
| 点 | 横の位置(mm) | 主管の中心からの高さ(mm) | 型紙の高さ(mm) | 型紙の横の位置(mm) |
|---|---|---|---|---|
| 0 | 30.3 | 57.2 | 0 | 0 |
| 1 | 26.2 | 55.1 | 2.0 | 15.8 |
| 2 | 15.1 | 50.8 | 6.4 | 31.7 |
| 3 | 0 | 48.5 | 8.7 | 47.5 |
| 4 | −15.1 | 50.8 | 6.4 | 63.4 |
| 5 | −26.2 | 55.1 | 2.0 | 79.2 |
| 6 | −30.3 | 57.2 | 0 | 95.0 |
点7〜12は、点5〜0と同じ深さのくり返しです。「型紙の高さ」と「型紙の横の位置」の2列が、そのまま枝管に巻く型紙の寸法になります。型紙には山が2つでき、いちばん高いところは8.7mmです。
計算例2:50A×50Aの同径T
主管と枝管がどちらも外径60.5mm(R = r = 30.25)の場合です。
| 点 | 横の位置(mm) | 主管の中心からの高さ(mm) | 型紙の高さ(mm) | 型紙の横の位置(mm) |
|---|---|---|---|---|
| 0 | 30.3 | 30.3 | 0 | 0 |
| 1 | 26.2 | 26.2 | 4.1 | 15.8 |
| 2 | 15.1 | 15.1 | 15.1 | 31.7 |
| 3 | 0 | 0 | 30.3 | 47.5 |
| 4 | −15.1 | 15.1 | 15.1 | 63.4 |
| 5 | −26.2 | 26.2 | 4.1 | 79.2 |
| 6 | −30.3 | 30.3 | 0 | 95.0 |
横の位置と、主管の中心からの高さが、どの点でも同じ大きさになっています。つまり正面図では、相貫線は主管の中心から45度に傾いた2本の直線(V字)になります。同径Tの相貫線が直線になるのは、このためです。型紙のいちばん高いところは30.3mmで、管の半径と同じです。
型紙にするときの注意
- 型紙は枝管の外径で展開します。横の長さは 60.5 × π = 190.1mm です。
- 型紙の下の直線を残す側に置き、山が管端の側を向くようにして、点0と点6を主管の軸の方向に向けて巻きます。
- 相貫線は外面どうしが合う線です。開先とルート間隔は別に取ってください。
- 主管側の穴は、枝管の付け方で大きさが変わります。枝管を主管の外面に載せて溶接する場合は、枝管の内径で相貫線を出してあけます(外径であけると枝管が穴に落ち込みます)。枝管を穴に差し込む場合は、枝管の外径で出します。
型紙の巻き方や基準線の取り方は、配管の展開図の書き方でまとめています。同径Tや主管の穴の大きさの考え方は、T管(えぐり)の展開図の書き方で説明しています。
斜めに交わる場合、中心がずれている場合
枝管が斜めに付く斜めT管(ラテラル)や、同じ径で二股に分かれるY管も、考え方は同じです。枝管の母線ごとに主管に当たる位置を求めてつなぎます。枝管の中心を主管の中心からずらして付ける偏心T管では、左右の山の高さが違う型紙になります。
展開図ラボでは、それぞれの相貫線をもとにした型紙を自動で作図できます。
- T管(えぐり)の展開図(偏心量を入れると偏心T管)
- 斜めT管の展開図(枝管の型紙と主管の穴)
- Y管の展開図
よくある失敗
側面図と正面図で点の番号がずれる
作図で点を移すときは、側面図で等分した点と正面図の母線に同じ番号を付けます。番号が1つずれると、相貫線の形がゆがみます。
主管の穴と枝管の型紙で、同じ径を使う
枝管を主管の外面に載せる場合、枝管の型紙は外径で、主管の穴は内径で出します。どちらも外径で出すと、枝管が穴に落ち込みます。
分割が粗くて山が角ばる
12分割では、点と点の間の線を手でなめらかにつなぐ必要があります。太い管や同径Tでは、16分割や24分割にすると曲線が正確になります。
相貫線についてよくある質問
相貫線とは何ですか
2つの立体が交わってできる境目の線です。配管では、主管と枝管の付け根の線で、枝管のえぐりの型紙はこの線を展開したものです。
相貫線の求め方は
正面図と側面図を並べて点を移す作図か、R − √(R² − r² × sin²φ)の式で各点の高さを計算して求めます。
同じ太さの管の相貫線はなぜ直線になるのですか
中心線が交わる同じ太さの管では、交わりの線が平面の上にのるため、正面から見ると直線(直角の同径TならV字)になります。









